良好な患者と医師の関係を築くうえで不可欠な精神療法

統合失調症の精神療法には、普段の治療のベースとなる支持的精神療法、妄想や幻聴への対処を身に付ける認知行動療法、グループディスカッションを通じて自分の病気を見つめ直す集団精神療法があります。

支持的精神療法

イラスト:患者の話を支持的・受容的に聞いている主治医

統合失調症の患者さんは過度の緊張や不安など症状からくるつらさや苦しみを抱えています。支持的精神療法では、このようなつらさや苦しみに対して共感を示し、そのうえで薬物療法が現在の症状を和らげるのに役立つことを説明し、病気に対する不安をできるだけ取り除くようにカウンセリングします。支持的精神療法は特別な治療ではなく普段の治療のベースとなるもので、治療に不可欠な良好な患者と医師の関係を築くうえで不可欠なものです。

認知行動療法

イラスト:幻聴に対して影響されないように音楽を聴く患者

認知行動療法は誤った信念や歪められた思考パターンを修正する精神療法で、うつ病の治療によく行われているものです。統合失調症の場合には妄想的信念や幻聴にかかわる信念などを対象に認知行動療法が行われます。妄想や幻聴そのものを否定するのではなく、肯定しつつもいろいろな角度から検討し、妄想や幻聴の内容についての非合理性を自覚できるようにして、誤った信念と距離をとれるようにし、幻聴に対しては影響されないように具体的な対処の仕方を身に付けていきます。

集団精神療法

イラスト:当事者が集団で話し合っている様子

集団精神療法は、複数の患者が集まってそれぞれの抱える心の問題を話し合うことで自分の心の問題を客観的に認識し、同時に困難な状況を乗り越える方法や技能を身につけることを目指した治療法です。集団の中で自分の問題を語ったり、あるいは他の人の問題を聞いて、それに対して感じたことを発言する中で自分の感じ方や反応の仕方を知ることができます。同じ悩みを共有することによって、孤独感を緩和することができるのも集団精神療法の効果の1つです。