統合失調症に似た症状を呈する病気との鑑別診断(その他の疾患)

イラスト:カルテ

気分障害や人格障害において統合失調症に似た症状がみられるほか、身体疾患の一部に精神症状を引き起こすものがあり、また薬物の使用によっても類似の症状が生じるため、これらの症状との鑑別診断が不可欠です。

気分障害との鑑別

躁うつ病(双極性障害)の躁状態が陽性症状に、うつ状態が陰性症状に類似することからときに鑑別が難しい場合があります。大きな違いは統合失調症が「思考」の障害であるのに対して躁うつ病は「気分」の障害であることから、症状が気分に関連して変動する場合には躁うつ病として鑑別が可能です。また、躁うつ病は躁の病期とうつの病期がはっきりと分かれ、病期と病期の間は正常な機能レベルに回復しますが、統合失調症の場合にはそのような病期があることはまれで、正常な機能レベルに回復することはありません。

人格障害との鑑別

人格障害には、社会的・感情的に他人を拒絶し、思考や認知、会話にみられる奇妙さを示す統合失調型人格障害があり、ときに統合失調症に似た症状を現すことがあります。一般に、統合失調型人格障害の症状の程度は統合失調症のそれよりも穏やかで、統合失調症の診断基準を満たしません。

身体疾患から生じる精神症状との鑑別

脳腫瘍、ウイルス性脳炎、側頭葉てんかん、せん妄、甲状腺疾患などの身体疾患から統合失調症に似た精神症状が現れることがあります。これらの身体疾患は脳画像検査や髄液検査などを行うことで明確に診断できます。

薬物の使用から生じる精神症状との鑑別

麻薬や覚せい剤の使用によって幻覚や妄想が引き起こされるため、これらの薬物の使用がないかどうかを調べます。また、処方薬によっても精神症状が出ることもあるため、処方薬の有無も確認します。

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