監修: 藤田医科大学医学部 精神神経科学講座 教授
岩田 仲生 先生

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統合失調症に似た症状が現れる病気
(ほかの精神病性障害)1-3)

統合失調症に似た症状が現れる病気のうち、「精神病性障害」と呼ばれるグループに含まれるものとして、短期精神病性障害、統合失調症様障害、妄想性障害、統合失調感情障害があります。

短期精神病性障害

幻覚や妄想など統合失調症に似た症状がみられますが、1日~1ヵ月程度の短期間にとどまった後に回復します。統合失調症の前兆期などにみられるあせりの気持ちなどの症状はなく、急性かつ一過性に起こるのが特徴です。強いストレスによって引き起こされる場合がありますが、明らかなストレスがなくても起こることがあります。

ただし、症状が1ヵ月を超えて長く続く場合は、状態に応じて以下に示す病気と診断されます。

1日~1ヵ月程度

統合失調症様障害

統合失調症に似た症状が1ヵ月以上続き、その後6ヵ月未満で治るものは統合失調症様障害と診断されます。症状が6ヵ月以上続くと統合失調症の診断基準(DSM-5)4)を満たしますが、双極性障害(いわゆる躁うつ病)や統合失調感情障害に移行する場合もあり、一時的な診断名としての意味合いがあります。

1ヵ月~6ヵ月

妄想性障害

妄想が持続的にみられる一方、妄想以外の症状はほとんどみられません。妄想は、その原因となる困りごとや悩みから自分の心を守るために作り出されている、いわば本人の“逃げ場”となっている場合があります。本人のストレスを減らしたり、環境を改善したりすることによって妄想が軽減、あるいは消失することがあります。

統合失調感情障害

幻覚や妄想といった統合失調症に似た症状と、抑うつ状態や躁状態といった気分障害の症状が同時にみられる場合、統合失調感情障害と診断されることがあります。

いわば、うつ病や双極性障害(躁うつ病)と統合失調症が組み合わさったような状態です。

参考文献
  1. 白石弘巳監修: 患者のための最新医学 統合失調症 正しい理解とケア. 高橋書店, 東京, 2015, pp. 70-77
  2. 糸川昌成監修: 健康ライブラリー イラスト版 統合失調症スペクトラムがよくわかる本. 講談社, 東京, 2018, pp. 28-33
  3. 尾崎紀夫ほか編: 標準精神医学 第8版. 医学書院, 東京, 2021, pp. 296-297
  4. 日本精神神経学会, 髙橋三郎ほか監訳, 染矢俊幸ほか訳: DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル, 医学書院, 2014, pp. 96-97
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