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『種の起源』により進化論を打ち立てたチャールズ・ダーウィンですが、その精緻な研究活動の裏にうつ病が隠されていたことはあまり知られていません。ダーウィンにうつ病の兆候が現れたのは、博物学者としてはじめて世界周航に臨んだビーグル号航海時ですが、博物学者になることを反対した父との関係性が心の葛藤となっていたと考えられています。そして、30歳のころよりしばしば不機嫌な状態を繰り返すようになり、さまざまな自律神経症状に悩まされたことから、おそらく身体症状が前面に出たうつ病を患っていたと考えられます。また、ダーウィンは完璧主義かつ執着的といううつ病を引き起こしやすい性格を有し、絶えず自己不全感に悩まされ、研究に対する極端な自己卑下がみられたといいます。進化論を唱えた『種の起源』の論文も、完全性を追求するあまり計画は遅々として進まず、他の学者が同じ学説を発表することを知り、慌てて学説の要旨という形で発表したというエピソードがあります。ダーウィンは完璧主義という性格から終生においてうつ病から解放されることはありませんでしたが、その性格がすばらしい研究成果を生み出したといえるでしょう。
参考文献:飯田 真/中井 久夫著:天才の精神病理−科学的創造の秘密.岩波書店,P48〜83
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