脳の活動は、神経細胞の電気的興奮が次々に他の神経細胞へと伝えられることで行われます。神経細胞には、単純化してわかりやすく言うと、車でいう「興奮を起こす」アクセルと「興奮を抑える」ブレーキの働きをもつものがあり、アクセルの役割をもつ神経細胞が興奮しすぎてヒートアップしそうな場合にはブレーキ役の神経細胞が抑えるというように、両方の神経細胞が作用しあい安定したバランスを保っています。
てんかん発作が生じる脳では、この「アクセル」と「ブレーキ」のバランスが悪く、ブレーキ役の神経細胞の働きが低下し、アクセル役の神経細胞の働きが過剰になっています。そのため、脳内の神経細胞が過剰に興奮しつづけ、ヒートアップした場合に「発作」という症状が起こります。
神経細胞には車でいう、他の神経細胞を興奮させるアクセルや興奮を抑えるブレーキの働きをもつ神経細胞があり、アクセルの役割をもつ神経細胞にはグルタミン酸ニューロンが、ブレーキの役割をもつ神経細胞にはGABA(ギャバ)ニューロンがあります。グルタミン酸やGABAは神経伝達物質と呼ばれ、神経細胞の電気的興奮を他の神経細胞へと伝えるために必要な物質であり、脳の活動に重要な役割を担っています。
てんかん発作が生じる脳では、このアクセルであるグルタミン酸ニューロンの働きが過剰になり、ブレーキであるGABAニューロンの働きが低下しています。
症候性てんかんでもわかるように、脳の器質的な障害がてんかんを引き起こす大きな原因の1つであることは明らかです。出産前後に被った酸素欠乏や出産時の仮死状態が脳に傷害を与え、それがてんかんの原因となることもありますし、先天性の代謝異常や内分泌異常でも脳がダメージを受けててんかんを引き起こすこともあります。髄膜炎や脳炎などのウイルス性疾患や頭部外傷、脳血管障害などによる器質的障害*などがてんかんの原因となりえます。
脳に器質的障害がない特発性てんかんの原因として、一部に遺伝的素因が関与していると考えられています。てんかんの発症率は20歳までの一般人口では約1%ですが、母親が特発性てんかんの場合にはその子どもの8〜9%がてんかんになる可能性があり、父親が特発性てんかんの場合には2〜3%と報告されています。
一部の特殊なてんかんでは原因遺伝子がわかったものもありますが、その原因遺伝子がどのように働いててんかんが引き起こされるのかはまだよくわかっていません。
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