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ロシアの文豪フィオドール・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキーもてんかんを患っていました。てんかん発作を初めて起こしたと記録に残されているのは、いわれなき罪でシベリアに流刑されていた29歳のときでした。ドストエフスキーが抱えていたのは側頭葉てんかんの一種で、前兆に恍惚(こうこつ)感を伴うめずらしいタイプのてんかんであったと考えられ、ドストエフスキーの思想や創作活動に影響を及ぼしたとされています。特に、てんかん発作の前兆にあらわれる恍惚感は、神秘的体験にも似た一瞬であったとドストエフスキー自身が語っていた記録が残っています。ドストエフスキーは小説『白痴』においててんかん患者の主人公ムイシキン公爵に、前兆に恍惚感を伴うてんかん発作の様子を詳細に語らせていますが、その内容はドストエフスキー自身が語っていた記録とほぼ一致しています。ドストエフスキーの代表的作品である『悪霊』や『カラマーゾフの兄弟』にも同様の記述がみられ、てんかんがドストエフスキーの創作活動に色濃く影響していることがみてとれます。
参考文献:金澤 治著:知られざる万人の病気 てんかん.(株)南山堂, P32〜46
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