多くの研究により、てんかんの有病率*はおよそ0.5〜1%程度と考えられており、決してまれな病気ではありません。累積発病率*でみても、出生から20歳までのてんかんの累積発病率は約1%ですが、75歳までの累積発病率は3%に達します。つまり約3%の人が生涯のいずれかの時点でてんかんをもつことになります。
【てんかんの年代別発症率】
出典:小島 卓也編著:知っておきたいてんかんの診断と治療.真興交易(株)医書出版部,2000年.P93
てんかんの発症率*を年代別にみると、生後1年未満の発症が圧倒的に多く、またほとんどのてんかんが10歳までに発症しています。10歳を超えると発症率はなだらかに減少していきます。
乳幼児期の発症が圧倒的に多いのは、その時期の子どもの脳が発達途上にあるためです。乳幼児期の脳が発達するスピードは、生後直後が最も速く、だいたい3歳ぐらいまでに成人の脳の8割程度まで完成するとされています。その後、脳の発達はゆるやかに進みますが、てんかんの発症は脳の発達速度に一致して起こっており、脳の発達が完了する10代後半にはてんかんの発症が激減していきます。
老年期になると、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、脳変性疾患などが原因でてんかんの発症がふたたび増加します。老年期のてんかんでは、局在関連性てんかんが70〜80%前後と多く、すべて症候性です。初発年齢は老年期に初発したものを含め、20歳代を中心にすべての年齢層にわたっています。
一方、老年期における全般性てんかんの比率は20〜30%前後で大部分が特発性ですが、この群は老年期以前、多くは20歳未満で発症したものです。したがって、老年期に新たに発症するてんかんはほとんどが症候性の局在関連性てんかんといえます。
てんかんの原因となる病因の割合をみると、特発性(ここでは潜因性を含む)が約65%、症候性が約35%となっており、明確な病因が特定されたてんかんの割合はおよそ1/3程度に過ぎません。世代別の病因をみると、子どもの場合は先天性疾患によるものが多く、青年期では頭部外傷、壮年期、老年期と加齢にしたがって脳血管性障害の割合が増えていきます。
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