てんかん治療の基本は薬物療法ですが、薬だけでてんかん発作を抑制できない難治性てんかんに対しては外科手術が考慮されます。
脳にメスを入れるというと大変危険で恐ろしいイメージがありますが、最近の脳外科手術は高度に進歩しており、手術に伴うリスクはきわめて低く、十分満足のいく手術成績が得られています。すべての難治性てんかんに対し外科手術が行われるわけではありませんが、一部の難治性てんかんでは手術によってかなり高い確率で発作が完全に消失することが期待できます。
てんかんの外科療法を行う場合には、下記などを考慮して適応を決定していきます。
てんかんの手術は、てんかんの原因となっている脳の異常部位を含む脳組織を摘出する切除手術と、てんかんの異常部位にはメスを入れずに発作の伝播経路を断つ遮断手術の2つに分けられます。
切除手術で最もよく行われているのが側頭葉切除術です。側頭葉の内側には扁桃核、海馬と呼ばれる部位があり、その扁桃核海馬切除術を加えると、側頭葉切除術はてんかん手術全体の7割を超えています。発作が完全に消失することが多く、側頭葉の一部を切除しても社会生活を送る上で著しい障害をきたすことが少ないこともあり、成功率もきわめて高いのが特徴です。
遮断手術では脳梁(のうりょう)離断術が一般的です。脳梁は左右の大脳半球を結ぶ神経線維ですが、ここにメスを入れて左右の伝播経路を遮断すると過剰興奮が両側の脳に同時に伝わらなくなり、発作の規模が小さくなります。ただし、発作を完全に消失させるほどの効果はありません。脱力発作などの転倒を伴う全般発作に有効とされています。
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