ホーム > 認知症 > 診断する > どのように診断されるの?/問診や認知機能テストによる診断
ここから本文です「もの忘れが目立つ」「同じことを何回も聞く」などを主訴として受診に至る場合には、認知症が疑われますが、「なんとなく元気がない」「ふさぎ込むことが多い」、あるいは「眠れない」「頭が重い」などの精神症状や行動異常が主訴で認知障害が隠されている場合には、認知症が見逃されることが少なくありません。特に、アルツハイマー病の初期では記憶障害よりも気分の変調や性格変化が前面に出ることがありますので注意が必要です。したがって、診断においては、本人および家族からの訴えをより詳しく聞き取ることが欠かせません。
問診においては、本人または家族の訴えに対し、それが本当に認知症であるのか、認知症の疑いがあるとすれば、どの程度の重症度がみられるか、生活機能にどれくらい障害がみられるか、あるいは精神症状や行動異常がみられるか、などについて詳しく聞き取る必要があります。本人の訴えのみではあやふやなことが多いと、本人と同居する家族、あるいは介護者やヘルパーなどからの情報も必要となります。併せて、家族歴、生活歴、病前性格、既往歴などについて詳細に聴取しますが、特に、家族歴では認知症を呈した両親や兄弟の有無、既往歴では脳血管障害の有無などの情報は重要になってきます。
問診では、本人の話す内容や態度から、言語理解力、記憶力、見当識、思考・判断力、計算、感情、意欲などをみていきます。
認知症の診断基準としては、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類である「ICD-10」と、米国精神医学会の「DSM-IV」の2つが主に使われていますが、問診において得られたさまざまな情報をこの診断基準に照らすことで暫定的な診断が可能です。
診断基準では、「記憶力の低下」「認知機能の障害」「生活機能への支障」の3つで評価します。「認知機能の障害」では、失語、失行、失認、実行機能の障害のうち、1つ以上がみられることを要件としてあげています。
なお、明らかな認知症ではないものの何らかの認知機能の障害がみられる、いわば加齢による健忘と認知症とのグレーゾーンに位置するものに軽度認知障害と加齢関連認知低下があり、これらは認知症予備軍と考えられています。
記憶の低下がみられるものの、他の認知機能障害がみられず、また日常生活に支障をきたしていない状態を指します。軽度認知障害の約10%が3年後に認知症に移行すると考えられています。
軽度認知障害の多くは表面的には軽症であっても進行性で、将来的には認知症に移行する可能性のある前駆段階といえます。多くの認知症が軽度認知障害を経ていると考えられ、認知症の早期診断の観点から軽度認知障害が注目されています。
認知症ではないものの、記憶に限らず思考や言語などの全般的な認知機能の低下がみられ、年齢適応の認知評価より低い状態を指します。加齢関連認知低下の約30%が3年後に認知症に移行すると考えられています。
診断基準に照らして、本人・家族との問診から認知症の有無や重症度はある程度の予測はつきますが、より客観的な評価のために、本人を対象とした簡単な認知機能テストが行われるほか、本人の観察や周囲の人々からの情報を基に判定基準に照らした行動評価も行われます。
認知機能テストでは、認知症の簡便な評価スケールとして改訂長谷川式簡易知能評価スケールが一般に用いられることが多く、このテストによって日時や場所の見当識、記憶力や計算能力を簡単に評価することができます。この他にも、認知症の評価スケールにはいくつかの種類があり、必要に応じていくつかのテストを組み合わせて行われることもあります。
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