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ここから本文です認知症のためにできなくなることが多くなるとはいえ、なるべく本人の自立を援助するように介護することが大切です。できなくなったことに目を向けるのではなく、まだできることに目を向けてサポートしていく姿勢が求められてきます。また、完璧な介護を目指すのではなく、ときに肩の力を抜いて家族・介護者がゆとりをもって本人にやさしく接することも大切です。
話しかけるときには近づいて話しかける、本人が理解できるようにわかりやすく話す、本人に納得してもらえるように話す、本人の話しに耳を傾けてあげるなどは認知症の人に限らず老人に接する際に必要なコミュニケーション術ですが、認知症の人の場合には思考や判断力が低下しているためにときに家族・介護者にとって受け入れがたい言動や、思いもよらぬ行動をとったりすることがありますが、そのことを否定しないで受容し共感を示すことが求められてきます。常に本人の気持ちに理解を示し、耳を傾け、認めてあげるなど、無条件に受容して支持的態度で接することが大切です。
介護が過剰になると残された心身の機能がどんどん低下してしまいます。自立した生活は本人の自尊心を支える要素であり、心の健康状態を保つ上でも重要ですから、できるだけ本人がやれることには手を出さずにサポートするだけにとどめるようにします。本人にやらせると時間がかかったり、のろのろやっているのをみるとまどろっこしいなどの理由からつい手を出してしまいがちですが、残された心身の機能を維持するためにはできるだけ本人の力で成し遂げられるように見守ってあげることが重要です。
心身の健康管理に気をつけることは認知症の人に限ったことではありませんが、認知症が進むと意思表示が適切にできなくなりますので、注意が必要です。食事、排泄、睡眠、衛生などに常に注意を払って、体調の変化や気分の移り変わりをよく観察するようにします。また、お年寄りの場合には脱水を起こしやすく、脱水症状がひどくなると意識障害や脳血管障害の引き金になることもありますから特に注意が必要です。精神症状や行動異常が生じる際には、これらの心身の微妙な変化がサインとして現れることがありますから、心身の健康管理をこまめに行うことで未然に防ぐことが可能になります。
注意力、判断力が低下している認知症の人は、ときに思いもしない行動に出ることがあります。予測できる事故を防ぐためにも、本人の生活範囲には危険なものがないか、危険に陥ることがないかを詳しく調べて環境に配慮する必要があります。火の不始末の原因となるガスの元栓、転倒を招くわずかな段差、徘徊を許してしまう簡単な出入り口、誤飲のもとになる生活用品の放置など、生活環境のすべての面に細やかな配慮が必要です。
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