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ここから本文です認知症のケアにおいては、認知症の人と常に接し介護する家族と介護者が適切な介護の方法やスキルを身に付ける必要があります。家族や介護者が認知症を正しく理解して、望ましい介護と問題行動に対する適切な対応を取ることができれば、精神症状と行動異常が軽減され、認知機能障害にも好ましい影響を及ぼします。しかし、介護する側に十分な理解とスキルがないと、問題症状が増悪して家族・介護者の負担は大きくなります。介護に疲弊してしまうと、それがさらに問題症状を増悪させるという悪循環へと陥っていき、最悪の場合、家族・介護者が倒れてしまったり、ときに認知症の人への虐待につながってしまうことも少なくありません。したがって、家族・介護者の認知症への理解を深め、十分な介護と問題行動への対応スキルを身に付けていくことが非常に重要になってきます。
家族・介護者はまず認知症がどのような病気であるかを理解して、本人の病状をきちんと把握するようにします。記憶障害や認知機能の障害の程度がわかってはじめてその適切な対応がとれることから、疾患の理解を深めることが出発点となります。また、認知症の精神症状と行動異常が現れても、その症状の背景にある本人の気持ちや理由・原因を理解していれば、自ずと本人に対する接し方や介護の態度は変わっていきます。そして、疾患の理解が進めばどのように対処すればよいかという問題意識も生まれます。
家族や介護者は実際の介護を通じてさまざまな問題に突き当たり、その都度、対応を修正しながら試行錯誤で介護に当たっていますが、適切な介護の仕方や本人への接し方を学ぶことで介護に伴う多くの問題を軽減することができます。また、介護は何もパーフェクトである必要はなく、省力化できることはどんどん省いていき、その余ったエネルギーをなるべく本人の話しを聞いてあげたり、触れ合ったりするなどしてメリハリをつけることが大切です。過剰な介護は逆に本人の心身の機能を低下させることも知っておく必要があります。
家族・介護者が介護に行き詰って倒れてしまっては元も子もありません。認知症の介護は10年、20年という長期にわたって取り組まなければならないため、家族・介護者は自らの心理的、身体的負担に対しては常に注意をはらっておく必要があります。家族・介護者が心身ともに疲弊すれば、家族・介護者側に抑うつや焦燥、激しい怒りや攻撃的な言動などの情緒的反応を引き起こし、それが本人の症状の増悪を助長します。このような悪循環は在宅介護を破綻させ、施設介護への切り替えを余儀なくされてしまうため、家族・介護者は心身のケアに常に配慮して、限界を感じる前にソーシャルサポートの支援を受ける必要があります。
家族・介護者が無理なく介護に取り組んでいくには、介護を支援してくれるさまざまな社会資源を利用したソーシャルサポートが欠かせません。社会資源としてどのようなものがあり、どのようにしたらソーシャルサポートを受けることができるのかを把握しておく必要があります。できるだけソーシャルサポートに頼り、地域で支えてもらうという考え方がとても重要になってきます。また、介護福祉サービスを受けることはたんに介護の負担を軽くするだけではなく、介護福祉施設において家族・介護者以外の人たちとの触れ合いの機会が増えることから、よい意味での緊張感が生まれたり、同じ病気の仲間のなかでくつろぐことができるといった側面もあります。
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