ホーム > 片頭痛 > 理解する > どのような経過をたどるの?
ここから本文です片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などの一次性頭痛は、頭痛発作が起こっているときに一過性に病態が生じますが、発作が治まれば脳に器質的な障害を残しません。したがって、治療により頭痛発作さえコントロールできればきわめて予後が良好な病気といえますが、残念ながら頭痛と診断されて治療されているケースはきわめて少なく、未治療のまま我慢して過ごしているのが大半というのが現状です。
片頭痛の人の医療機関の受診状況をみてみると、『定期的に受診』、『ときどき受診』、『過去に受診』の受診経験群を合わせてもおよそ3割にしかすぎず、残りの7割は未受診であることがわかっています。また、定期的に受診している群を年代別にみると有病率の高い20〜30歳代で1.7〜2.5%と最も低く、逆に有病率がそれほど高くない50〜60歳代が6.5〜8.2%と高くなっています。つまり、最も治療が必要とされている年代が受診に至っていないことがわかります。
このような受診率の低さの背景には、片頭痛に対する病識が低いことがあげられます。片頭痛と診断された人のうち、自分の頭痛が片頭痛であることを認識しているのはわずか1割程度で、多くの人たちは片頭痛を“たかが頭痛”として病気と捉えていないのです。
片頭痛は頭痛発作時以外ではまったく問題ないため、病態としては経過は良いといえますが、生活の質(QOL)の観点に立てば決して良いとはいえません。
片頭痛の重症度をみてみると、頭痛発作時に『常に寝込む』『ときどき寝込む』とする強度重症度群と、『日常生活にかなり支障』をきたす中等度重症度群を合わせると全体の3/4を占め、片頭痛の人の多くが頭痛発作に悩まされていることがわかっています。一方、仕事などの社会生活への支障度についてみると、『常に欠勤または欠席』する強度支障度群と、『社会生活にかなりの支障』があるとする中等度支障度群を合わせても全体の3割にしかすぎません。自分の片頭痛がかなり重症と認識しているにもかかわらず、社会生活への支障が大きくないととらえている背景には、片頭痛では会社や学校を休むことができないという日本人特有の頑張りや周囲の無理解などの社会的な低認識が背景にあると考えられます。
出典:Sakai F , Igarashi H. Cephalalgia 17:15-22, 1997
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