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片頭痛

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周りの方へ

“頭痛”と聞くと多くの人は「市販の頭痛薬を飲めば治まるもの」と考えるのではないでしょうか。もちろん、頭痛の中には市販薬によって抑えられるごく軽いものがあります。しかし、片頭痛の多くはそのようななまやさしい痛みではなく、仕事も家事も手につかなくなるほど痛くて日常生活に支障が出ることがほとんどです。少しでも身体を動かすとズキズキと痛み、明るい光や騒音にさらされるだけで痛みが悪化し、吐き気や嘔吐を伴うためにただひたすら静かに横になっていたい。このような痛みが片頭痛の特徴です。頭痛発作が起こると多かれ少なかれ生活に支障が出て、寝込んでしまうことも少なくありません。その生活支障度の高さは、狭心症や高血圧に匹敵するといわれるほどです。
加えて、片頭痛の人はもう1つのつらさを抱えています。それは周囲から理解されないつらさです。日本では、“頭痛”に対する理解度に乏しく、頭痛で休むことに対しての風当たりはまだまだ根強いことから、片頭痛の人は発作が起こっても休むことができず無理を重ねてしまいがちです。しかし、頭痛発作を抱えながらの仕事では当然のことながら能率は半減してしまい、それは生産性にも影響を及ぼすことになります。片頭痛はただ単に本人のQOLの問題にとどまらず、社会におけるコストパフォーマンスとして捉えるべき問題なのです。

片頭痛によって労働生産性が著しく低下します

イラスト:頭痛のために仕事の能率が上がらない様子 片頭痛は本人の苦痛もさることながら、頭痛発作によって社会生活機能が著しく支障をきたすことによって引き起こされる労働生産性の低下という側面も無視できません。
さまざまな調査データから、頭痛を抱えながらの勤務による労働生産性は正常時の半分程度と報告されています。つまり、頭痛を抱えながら勤務できたとしてもきわめて非能率的な労働にならざるをえないことがわかります。では、片頭痛の人は頭痛発作によってひと月にどれぐらいの労働生産性の低下がみられるのでしょうか。医療経済学の分野では、労働生産性の具体的指標として欠勤日数と仕事の効率低下から欠勤等価係数(LWDE)を割り出して評価していますが、欠勤等価係数は、
LWDE=実際に欠勤した日数+頭痛を我慢して就業した日数×(1−頭痛発作時の作業能率)
で表されます。この数式により割り出された片頭痛の欠勤等価係数は、女性の71%が1以上、51%が6以上となっており、男性の56%が1以上、38%が6以上という結果が報告されています。つまり、片頭痛の女性の半数、また男性の4割近くにおいて、ひと月のうち6日分以上の労働生産性が失われていることになります。
片頭痛は、決して本人の健康問題としてのみ捉えられるべきものではなく、労働生産性という観点から職場においても積極的な対応を図らなければならない病気なのです。

片頭痛に対する理解と予防のための環境調整

イラスト:頭痛で無理をしようとする本人に上司が休むように諭している様子 片頭痛は20〜40歳代のいわゆる働き盛りの世代に多くみられますが、このことは労働環境が片頭痛の発現に深く関与していることを示唆しています。長時間の労働時間や不規則な勤務形態、許容限度を超えた業務量、社内のギスギスした人間関係など、昨今の労働環境は片頭痛を誘発しやすいリスク要因をさまざまに抱えているといえ、片頭痛を誘発しないように労働環境や職場環境を配慮することが求められてきます。
このような環境調整を行うにあたって、管理職や職場の人全員が片頭痛に対する理解を深めることが欠かせません。片頭痛を経験したことのない人は片頭痛の苦しみ、つらさを理解することは難しく、どうしても“たかが頭痛”と軽んじてしまう傾向にありますが、そのような社内的空気がプレッシャーとなって発作があっても休みにくい職場環境を生み出しているといえます。頭痛発作が起こり始めた軽い時期に休養させた方が、痛みをこらえて働き続けた挙句に休むよりも休養期間は短くて済むとされていますから、発作が現れた段階で早めに休養あるいは業務量の調整を図って無理をさせないようにすることが大切になります。


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