ホーム > 片頭痛 > 治療する > 薬物療法/急性期治療と予防的治療
ここから本文です片頭痛の発作時における薬物療法の進め方には、段階的治療と層別化治療の2つのアプローチがあります。段階的治療とは、発作時にまず鎮痛薬を使用し、無効の場合にトリプタン製剤またはエルゴタミン製剤を用いる治療法です。一方、層別化治療とは、片頭痛の重症度に応じて階層別に治療薬を選択し、軽度〜中等度の片頭痛の場合には鎮痛薬を使い、中等度〜重症の片頭痛の場合には最初からトリプタン製剤またはエルゴタミン製剤を用いる治療法です。近年では層別化治療が中心に行われています。
頭痛発作時の治療では、頭痛の性状や痛みの程度、頻度などに応じて、鎮痛薬、トリプタン製剤またはエルゴタミン製剤が処方されますが、これらの薬剤はあくまでも頭痛発作時に頓服で用いることが原則で、いずれの薬剤でも3カ月を超える定期的な乱用によって薬物乱用頭痛が引き起こされる可能性があることを知っておく必要があります。
片頭痛が軽度または中等度であれば、鎮痛薬が第一選択薬になります。鎮痛薬は本格的な頭痛発作がはじまってから服薬しても効果があまり期待できなくなるため、なるべく前兆期などの発作初期の段階で服用するようにします。また、片頭痛発作は睡眠によりしばしば改善されることから、比較的軽症の場合には睡眠薬のみ投与されることもあります。鎮痛薬によって頭痛が改善されない場合には、トリプタン製剤が用いられます。
なお、最近では痛みが軽度な片頭痛発作発症早期にトリプタン製剤を投与することで、頭痛消失率や頭痛改善率が高いことが明らかにされ、軽度〜中等度の片頭痛に対して最初からトリプタン製剤が用いられる場合もあります。
中等度〜重症の片頭痛に対しては、エルゴタミン製剤は頭痛進行期に投与しても効果が弱いためトリプタン製剤が中心になります。トリプタン製剤にはいくつかの種類があり、それぞれに薬理学的な特性の違いがあるため、あるトリプタン製剤で十分な効果が得られなかったときには別のトリプタン製剤に切り替えられます。ただ、トリプタン製剤の共通の問題として頭痛の再燃(頭痛がふたたび起こること)が知られ、服薬後24時間以内の再燃率は20〜40%と報告されています。トリプタン製剤で頻回に頭痛の再燃がみられる場合にはエルゴタミン製剤が選択されます。また、トリプタン製剤による治療で十分な効果が得られない重症の頭痛に対しては、片頭痛の予防治療薬や鎮痛薬の併用が考慮されます。
なお、トリプタン製剤やエルゴタミン製剤は血管収縮作用による心血管系への影響が強く、高血圧や狭心症のある人や妊婦に対して用いることができないため、鎮痛薬が選択されます。
予防薬によって片頭痛の発作が完全に抑制されるわけではありませんが、発作の頻度をほぼ半分程度に減らし、また発作時の頭痛の強さを軽減することができます。
予防的治療は、次の場合などに行われます。
予防的治療の効果の判定には通常は1〜2カ月程度の投与期間が必要ですが、効果が認められるようであれば3〜6カ月は予防療法を継続します。予防薬によって片頭痛の頻度が少なくなれば、その後予防薬を徐々に減らして中止します。なお、マグネシウムやビタミンB2、フィーバーフュー(ハーブの一種)などのサプリメントに片頭痛の予防効果があることが知られ、処方薬としての予防薬に抵抗がある人には予防薬の選択肢として考慮されることがあります。
このサイトは日本国内に向けて制作いたしております。このサイトならびにサイト内のコンテンツは、ヤンセンファーマ株式会社によって運営されています。